B6 発表

http://www.asahi.com/eco/TKY200910140264.html

日本近海、酸性化進むＣＯ２溶け込み生態系に影響も

皆さんは、おすしが好きですか。私はおすしをよく食べに行きます。おすしはウニやアジや貝などをよく食べますが、最近おすしのねだんが上がってきて、私はとても困っています。このようにおすしのねだんが上がってきているのはなぜでしょうか。その理由をシェフに聞いてみると、日本では魚や貝が少なくなってきて、今は前(まえ)みたいにたくさん取(と)れなくなったからだそうです。それでおすしのねだんが上(あ)がっているのです。

おすしのねだんが上がってきている理由はわかりましたが、それではなぜ魚や貝が少なくなってきているのでしょうか。それは10月14日の朝日新聞にあった「日本近海、酸性化進むＣＯ２溶け込み生態系に影響も」の記事と関係があるようです。海洋酸性化が進んでいることについて考えてみたいと思います。海洋酸性化は、大気中のＣＯ２が溶け、海の水の化学的なバランスが崩れて、酸性度が上がる現象です。英語でOcean Acidityと言います。

海の生態系や漁業に、これから大きな影響をあたえると心配されている海洋酸性化が、日本の近くの海でも進んでいることが、26年間の観測データで分かりました。赤道近くの海でも同じようにｐＨが低くなっているのがわかりました。

海洋化学と生物地球化学の研究チームは、気象庁が毎年行っている1983年から2008年までの観測データを使って、酸性度を表すｐＨの変化を出しました。現在の海の水はｐＨが約8.1ですが、約100年後には7.9～7.7にまで酸性化が進むことがわかりました。この26年にｐＨが下がるペースが速くなっています。

装置を使って人工的に酸性化させた海の水で生物を飼育する実験から、100年後の海の水では食用のウニや巻き貝などの成長率が20～40%下がることがわかります。研究チームは「日本近海でも海の水のｐＨが下がり、100年後には日本の近くの海にすむ生物に何らかの影響が出ることになるだろう」としています。

魚や貝が少なくなってきているのは海洋酸性化のせいだったのです。安いおすしを食べるためにも、ウニやアジや貝がたくさん獲れるようにするために、どうしたらいいでしょうか。もちろんこれはおすしだけの問題ではありません。地球全体の問題です。

ＣＯ２が多くなるほど酸性化は進みます。ＣＯ２の３０％は海水に取り込まれると言われていますから、まず大気のＣＯ２を少なくしなくてはいけません。でも、大気中のＣＯ２もふえてきて地球温暖化も進んでいます。海洋酸性化と地球温暖化の両方について考えてみたいと思います。

制度や法律やガイドラインを作るのはオバマ大統領の仕事ですが、私たち一人一人ができることもたくさんあります。ハイブリッドカーやカープールやバスを利用するのもいいでしょう。車を運転しないで、その代わりに歩いたり、自転車に乗ったりするほうがＣＯ２を少なくするためだけではなく，健康のためにもいいです。そのほかには、木や花を植えるのもいいはずです。植物(しょくぶつ)はＣＯ２と水と日の光を使って、人間と動物が使うＯ２を作るので、空気がきれいになります。

こんなことは小学生でも知っていることですが、毎日の生活ではあまりいかされていません。反対に、ＣＯ２をたくさん出すスポーツカーやバイクをカッコイーと思っている人もまだたくさんいます。そんなスポーツカーやバイクに乗ると、女の子がよろこぶと思っている男の人もたくさんいます。

一番大きい問題は、多くの人の考え方です。何をしたらいいのかわかっても、何もしようとしません。地球を守るために、自分一人でもできることがあっても、何もしません。地球温暖化と海洋酸性化が進んでこれから世界はどうなるのでしょうか。海の生態系や漁業だけではなく、将来世界中の生物をまもるためにどんな生活と暮らし方をすればいいでしょうか。知識だけではあまり役に立ちません。地球温暖化と海洋酸性化の将来について、今から私たちができることは何でしょうか。そして、それを本当に行うためにはどうしたらいいでしょうか。一人の力は小さくても、みんなの力は大きいです。


生態系(せいたいけい)：Ecosystem
漁業(ぎょぎょう)：Fishing Industry
海洋酸性化(かいようさんせいか): Ocean Acidity
酸性度(さんせいど): Acidity
北緯(ほくい): North Latitude
海域(かいいき): Atlantic Ocean
今誠意期末(いませいいきまつ): This Century
成長率(せいちょうりつ): Growth Rate
影響(えいきょう): Consequences